トコ助産院 嵐です。
赤ちゃんお迎えクラス 安産育児編を開催し
いろんな「参加動機」や「知りたいこと」をお伺いして
昭和の子守姿を懐かしんだところで終わった
前回の記事に続きます。
私が小学3年生くらいの頃でした。
まだ、生後1ヶ月くらいだった赤ちゃんを、叔母が見せに来てくれました。
叔母に抱っこされた、小さい可愛い女の子。
「わーっ、可愛い~!!抱きたい」
とお願いしたら
「まだ、首据わってないから、ちょっとだけやで」
と言って、赤ちゃんに手を添えながら
本当にちょっとだけ、膝に乗せてくれたことを思い出します。
子供心に
「赤ちゃんは首が据わってないと、 乱暴にしたら壊れるんやな・・・」
と思ったことが、強く印象に残っています。
現在の親世代の親世代は、
赤ちゃんの首を大切にしており、それを伝えていたのです。
ところが、看護学校でも助産師学校でも
「赤ちゃんの首を守りましょう」ということは、あまり教わった記憶がありません。
むしろ、分娩介助では
「赤ちゃんの頭を十分押し下げる」ということを、しっかり教えられました。
子供の頃に、うるさく言われた
「赤ちゃんの首は大事に扱う」という昔からの教えを
守るべき知恵として受け止めず
「古い考え」として、私はすっかり忘れ去りました。
しかし、科学的根拠はわからなくても
昔から伝えられてきた経験に基づく方法は
決して古臭いものばかりではないのだと
今は、そう思っています。
情報が簡単に手に入る現代。
あまりに情報があふれていて
同じ事柄に対して、正反対の意見がありますから
何が正しくて、何が間違っているか、判断に困る事も多いですね。
ここで、再び、昔話です。
私が、病院で働き始めた30年前は
「傷は消毒して、乾燥させて、ガーゼを当てる」という治療方法でした。
それがスタンダードだったのです。
ところが、今は消毒しない、乾かさない 「傷の湿潤療法」 に変わってきています。
それまでとは、全く正反対の治療方法です。
ただし「消毒廃止」には結構な紆余曲折があるようです。
この辺りの経過は
湿潤療法を提唱している夏井睦医師の
『傷は絶対に消毒するな 生態系としての皮膚の科学』
に詳しいので、興味を持たれた方は、ぜひお読みください。
とても、面白いです。
さて、クラスに参加された方からの質問。
「おひなまきやスリングは親の世代はやってなかったけど、大丈夫?」
「赤ちゃんを横向きに寝かせるイメージがわかない」
「うつぶせ寝って危険じゃありませんか?」
「スリングって股関節脱臼にはならないですか?」
については、クラスでいろいろお話しました。
どんなことにも、いろいろな意見があります。
何事においても「絶対正しい」ということはありませんが
十分、情報を集めたら、しっかり考えて
何を選び、何を選ばないかを、自分で決めることが大切だろうと思います。